アクトタワークリニックの男性不妊症に対する信念
当院では、不妊治療に携わる医師が自分自身で男性不妊症の治療法を研修・修得し、その最終治療法である、精巣上体精子吸引術(PESA)・精巣内精子採取術(TESE)が自分でできるようにならなくては患者様に責任をもって男性不妊や顕微授精についてお話しすることは出来ないという信念に基づいて治療させていただいております。
アクトタワークリニックの男性不妊外来
当院では、毎日男性不妊外来を行っております。奥様の治療医が、ご主人様の治療医にもなります。奥様が、婦人科医師、ご主人様が泌尿器科医師に受診する必要がありません。
無精子症の治療について(精巣上体精子吸引術(PESA)・精巣内精子採取術(TESE))
精液検査を行っても、精液中に精子が確認できないことがあります。これを無精子症といいます。無精子症の原因は大きく分けて以下の二つあります。
- 閉塞性無精子症 精子を運ぶ通路が塞がってしまった場合です。
- 非閉塞性無精子症 精子を作る機能に問題がある場合です。
どちらの場合であっても、精子が存在すれば、精巣上体精子吸引術(PESA)もしくは精巣内精子採取術(TESE)という手術で精子を採取することが可能です。
当院では、不妊治療を専門としている医師は女性不妊だけでなく、男性不妊も熟知している必要があると考えています。男性不妊を熟知していなければ、顕微授精が本当に必要であるかどうかがわかりません。本当は、顕微授精をするべき卵子に顕微授精をしなかったり、顕微授精をしなくてもいいのに顕微授精を繰り返して失敗する方が、当院を訪れることが少なくないからです。卵子と精子が出会う、一番最適なタイミングを正しく判断することが、妊娠率を上げる最重要ポイントとなります。
当院では、
- 静岡県で初めて同一医師による採卵とTESE後の顕微授精による妊娠継続及び出産症例
- 静岡県で初めて同一医師による採卵とPESA後の顕微授精による妊娠継続及び出産症例
を学会にて報告させていただいております。
アクトタワークリニックの顕微授精(ICSI)
顕微授精(ICSI)技術、そしてIMSIとは?
通常の顕微授精(ICSI)用の倒立顕微鏡では、精子を200~400倍程度まで拡大して見えますが、IMSIという特殊な顕微鏡では精子を10000倍程度まで拡大して観察することができます。拡大して精子を観察することで、精子の微細な形態構造の変異を見分けることが可能です。その識別により、従来と比較して良好な精子をICSIに供与できるようになりました。
また、当院の顕微授精は紡錘体を観察しながら行うことができます。一番良い状態の卵子は、減数分裂において、まず初めに第一極体を放出します。通常は、第一極体の真下に紡錘体があります。ですから、第一極体を12時か6時の位置にしてから顕微授精を行います。しかし、第一極体から離れた場所に紡錘体があることもわかってきました。顕微授精をするときには微細な針で精子を卵子内に入れますが、紡錘体の位置がわからなければ、針で紡錘体に損傷を加えてしまうことがあります。顕微授精で紡錘体に損傷を加えると正常な分割は期待できません。この紡錘体の位置が確認できる顕微鏡を使用することによって紡錘体の位置を確認しながら顕微授精をすると、針で紡錘体に損傷を加えることはありません。当院では、オリンパス社の協力のもと、紡錘体を識別できる特殊な顕微鏡をICSIに使用しております。
通常の顕微授精で受精しなかったり、妊娠できなかった方々も、当院にIMSIを希望して来院され、妊娠に成功して挙児を得た方も少なくありません。
精子を拡大して良好精子を選別し、紡錘体を観察しながら顕微授精を行うことで受精率の向上だけでなく妊娠率の向上と流産率の低下が期待できます。
当院の顕微授精は、胚性幹細胞(ES細胞)を卵子に注入する先端技術、精子を拡大して良好な精子を識別する技術、紡錘体の位置を識別する技術、そして、精子と卵子を最適な時期に受精させる技術、これらの技術を総合的に活用し高い妊娠率及び出産率を得ております。