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不妊治療アドバイスブック

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不妊治療アドバイスブックでは、不妊治療をお考えの方にあてて、当院長が不妊治療に関する技術や考え方などの情報をお伝えしていきます。

未婚女性の卵子凍結保存について 2018.08.26更新

 最近、「年齢とともに卵子は老化していきます。」
「妊娠率は、年齢とともに下がっていきます。」
という事実を知るようになり、
「将来、子どもが産めなくなるかもしれない。」
という不安を感じている女性が少なくありません。 

 女性の高学歴化、社会進出、晩婚化がすすみキャリアを積む女性が増えてきた中で、
未婚で相手がいなくても卵子を凍結し、将来の結婚、妊娠そして出産に備えようと
希望するのは女性として当然の思いです。
 これは、将来に遭遇するかもしれない病気、疾病、事故に備えて様々な保険に加入
するのと同じです。卵子の老化を、不妊治療で克服するのには難しい場合があります。

 海外においては、卵子を凍結する技術は、
10年以上前から第三者への卵子提供に広く活用されています。
私が、アメリカに留学していた頃には、アメリカ国内の体外受精施設では、
卵子凍結はすでに確立した技術でした。
 凍結卵子が10個ある場合、妊娠継続し、出産できる確率は約40~80%です。
女性の年齢が若いほど、出産率は高いですが、年齢を経るごとに、出産率は低下します。
可能であれば、10~15個凍結することが望まれます。

 日本産科婦人科学会は、がん患者(白血病や乳がん等)の方が治療の影響で
不妊になることを防ぐために、未婚であっても卵子を凍結保存することを認めています。
 私たちはこれまで、静岡県内の地域基幹病院と連携して、
未婚で悪性腫瘍・白血病・がん患者の方の
卵子・精子・生殖細胞を凍結してきたという実績があります。
 
 アクトタワークリニック及び生殖発生医科学センターでは、
通常の不妊治療・体外受精・顕微授精・胚凍結だけでなく、これからの女性のライフスタイル
に合わせて卵子凍結も可能な世界基準の施設です。
 
 将来、理想のパートナーと結婚し、自然妊娠すれば問題ありません。
しかし、私の外来に相談にくる未婚女性の中には、自分の年齢を考え、
この人と結婚したら、卵子が老化している私の年齢が原因で赤ちゃんができないかもしれない。
だったら、この人をお父さんにしてあげたいから、この人に赤ちゃんを抱っこさせてあげたいから、
私は、この人との結婚をあきらめます。と言って涙を流す女性が少なくありません。
同じような涙をこれ以上多くの女性に流させないことが私たちの信念です。

 不妊症になるかもしれないという今後のリスクに備えて、卵子を保存しておくことは、
女性の人生設計の中で一つの選択肢として考えるべきなのかもしれません。
 卵子凍結は、海外では当たり前に行われている不妊症にならないため、
そして不妊症で悩まないための予防医療の一つであり、
女性のQOL(クオリティ オブ ライフ)の向上に大きく貢献しています。

 まずは、最初の一歩として、アクトタワークリニックへご相談(メールフォーム)ください。

 受診希望の方は、問診票をダウンロードしご記入の上ご来院されますと、
診察までの待ち時間が短くなります。
 問診票(卵子凍結).pdf
                          
              医療法人社団奨寿会 アクトタワークリニック 院長 松浦俊樹 
                                         

移植周期での採卵(ドミノ周期) 2017.10.01更新

ドミノ周期とは、
自然周期(クロミフェン周期・レトロゾール周期等)で育った卵子を採卵し、
体外受精・顕微授精を行います。
その後、胚移植当日に分割卵もしくは胚盤胞に成長すれば、
それらの受精卵を胚移植します。
成長しなければ、
凍結分割卵もしくは凍結胚盤胞を融解後に胚移植を行います。

妊娠可能期間を1周期も無駄にすることなく、
治療を進めることが可能です。

最新式タイムラプス型インキュベーター 2017.06.30更新

アクトタワークリニックでは、
最新式タイムラプス型インキュベーターを新たに導入しました。
静岡県内では初めて導入される機種です。

独自開発されたカメラで、
培養中の受精卵を確認することができます。
参考動画

また、受精確認等のためにインキュベーターから
受精卵を出す必要が無いため
気層や温度変化も少なくなり、
安定した受精卵の成長環境が構築できます。

前世代のタイムラプス型インキュベーターと比較して、
精密な気層管理や細かい写真撮影が可能となり、
さらなる胚盤胞発生率の向上や
グレードにこだわらない
新たに妊娠しやすい
胚の選別方法の一助になることが期待できます。

EMBRYOSCOPE+ TIME-LAPSE INCUBATOR
Embryo.png

着床不全の新しい治療法 GM-CSF 2017.04.26更新

<胚盤胞と子宮内膜とサイトカイン>
 胚盤胞と子宮内膜の情報伝達は、
妊娠や特に着床を開始する重要なファクターです。
 サイトカインは胚盤胞と子宮内膜のコミュニケーションを促すと考えられています。

1.GM-CSF(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子)とは?
 GM-CSFは、主に女性の胚盤胞や子宮内膜などで
 自然に分泌されるサイトカインの一種で、
 細胞の増殖や分化を促進します。

2.サイトカインとは?
 細胞が産生する活性タンパク質のこと。
 様々な種類があり、細胞の増殖・分化・機能の発現などに関与しています。

<染色体に問題が無い胚盤胞移植の出産率は?>
 アメリカ生殖医学会(ASRM)やヨーロッパ生殖医学会(ESHRE)において、
染色体に問題がない胚盤胞を移植しても
出産率は60~70%程度であることが多数報告されています。

<なぜ、染色体に問題が無い胚盤胞を移植しても妊娠継続しないのでしょうか?>
 妊娠が継続しない(流産)の原因を突き止めることは容易ではありません。
妊娠した女性の40%は、流産を経験されているといわれています。
流産は、染色体だけでなく遺伝子や子宮の異常など様々な要因が考えられます。
 また、着床不全の原因を突き止めることも容易ではありません。
 現在、着床時期の胚盤胞と子宮内膜の情報伝達物質である
サイトカインの欠乏やそのバランスの異常も流産や着床不全の要因の一つと考えられています。
 当院附設の生殖発生医科学センターでは、マクロファージ等の他大学との共同研究により、
多様なサイトカインの中でも
細胞の増殖や分化を促進するGM-CSFが
着床時期に最も重要なサイトカインの一つであると考えております。

<GM-CSFと着床とは?>
 通常は着床時期にGM-CSFの発現量が増加しますが、
着床不全の方や流産を繰り返す方ではこのGM-CSFの発現量が少なく、
GM-CSF濃度は低いままのことがあり、
着床不全や流産の原因として考えられています。
 また、月経周期や加齢により、GM-CSF濃度が変化することも考えられています。
 そこで当院では、胚移植時に用いる培養液に着床時期に必要である
細胞増殖因子であるGM-CSFと
細胞接着因子であるヒアルロン酸を
配合することで、
自然妊娠が成立する着床時期の
子宮内膜及び子宮腔内環境に
近づけることができると考えています。

<GM-CSF含有培養液を用いて胚移植が有効だと考えられている方>
ⅰ 自然妊娠しにくい方。
ⅱ 着床不全が考えられる方。
ⅲ 胚盤胞を2回以上移植しても着床しない方。
ⅳ 化学的流産または臨床的流産を2回以上繰り返す方。
  (化学的流産:妊娠反応のみ陽性。その後、妊娠が継続しなかった場合。)
  (臨床的流産:胎のうまたは胎児を確認。その後、妊娠が継続しなかった場合。)
ⅴ 原因不明の不妊症の方。

GM-CSF含有培養液に関してのご質問は、スタッフまでお知らせください。

尚、GM-CSF含有培養液を使用した胚移植は予約制とさせていただいておりますが、
都合により使用できない場合があることをご了承ください。

<参考文献>
Toshiki Matsuura et al. J Assist Reprod Genet. 2002 19(12): 591-595.
Seshagiri PB et al. Am J Reprod Immunol. 2016 75(3):208-217.

不育症とは 2017.04.03更新

不育症とは

妊娠はしますが、
2回以上の流産、死産
もしくは生後1週間以内に死亡する早期新生児死亡によって、
子供を持てない状態をいいます。
ご心配の方は、
厚生労働省のサイトをご参照ください。

アクトタワークリニックでは、不育症の検査、治療も行っております。

葉酸 サプリメント 2016.10.18更新

 葉酸は細胞増殖に必要なDNA合成に関与し、妊娠を考えている方に必要なビタミンです。
 妊娠初期は、胎児の細胞増殖が盛んであるため、この時期に葉酸摂取が不足すると胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクが高まることが考えられています。
 妊娠がわかってからでは遅いこともあります。
 日本では2000年に厚生労働省から神経管閉鎖障害のリスク低減のために妊娠の可能性がある女性は通常の食事からの葉酸摂取に加えて、栄養補助食品(サプリメント)から1日400μgの葉酸を摂取するよう通知が出されています。胎児の発育のために4週から12週までが最も葉酸の摂取が必要な期間と定められています。しかし、妊娠に気付かずにいることもありますから、妊娠前から1日400μg(0.4mg)の摂取が必要とされています。葉酸の必要性は、母子手帳にも記載されています。
 また、葉酸はサプリメント等での摂取が過多になると新生児の呼吸器障害の発症リスクが高まることも報告されています。
 ですから、葉酸をサプリメントで摂取する量は1日400μg(0.4mg)にするのがよいでしょう。

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